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上原輝男記念会 上原先生著書からの語録

「上原輝男記念会 上原先生語録集」では元玉川大学教授、上原輝男(文学博士 専攻 心意伝承学)の語録を紹介しています。 非常に多岐に渡っていますが、先生が生涯をかけて探求された、この風土、歴史、文化に根付いた<日本人>ということですべては繋がっています。 多様な価値観によってふだんの生活も国際社会での関りも難しさをます現代社会において、先生の語録は大きなヒントになると考えています。

「馬」④ ツイッター036補足

馬は我々のかわりを全部つとめてくれる・・・イメージを全部、馬がしいてくれる・・・

平成7年 岩手合宿で出会った馬のおじいさんのお話し、続きです。

つい最近まで、水沢の競馬場で走っていたっていうサラブレッドがいてね、白馬でね、その子どもがいるんだよ。おもちゃみたいなこんな子馬だけれども、サラブレッドっていうのはきれだね。・・・

それで、片一方には南部駒がいるんだよ。それも白馬なんだけれども、かわらげって言ったね。それで、そのおじいさんすごいんだよ。蒙古に行ってたって。馬のために馬を見に。

 でも、馬ってどうしてああも西洋東洋を問わずどうしてあんなやさしい目をしているの。おじいさんがいいからだと思うけれど。で、おじいさん日く、どさんこの馬は、これはもう比べようがありませんよって、放牧させるんだって、裏山で、そしたら、裏の山に上がる時なんか、坂になってるんだけれども、絶対にどさんこだって。坂道下る時もどさんこだって。

もう何しろね、平地を走らせたらね、うさぎとかめの話じゃないけれど、どさんこは後ろからポコポコついてくるそのかわり距離が長くなつたら、前のやつはもうばててきて、そして、さらに長くなったら、もうどさんこの方が絶対に前に行く。そして、地面がこうなってきたら、絶対によう歩かんて、競走馬なんてのはね。それに、坂道下る時にはね、足折っちまうって。ところがどさんこは折ったりしないって。おしりつけちゃうんだって。                   

きのう見た馬の方がよっぽどイメージが豊かだよ。

N・S 素直さが神に通じるんですね。

そうですよ。どうして昨日の馬の批評があまりでないなと思って僕は寂しく思っていたんだけどみんな感動が深すぎたから、出てこないんだろうと思っていたんだけれど。

馬はあれだろ、やっぱり素直なんですよ。それは思うよ。人間は長い間、馬と生活してきたんだから、あの素直さに打たれたんだと思うよ。
秋田には『どんな飢餓でも馬だけは手放すな。』という言葉がある。エサのある所に引っ張ってくれるというんだ。

・・・『世界定め』は馬がしてくれた、ともいえる。
                
そのおじいさんに言ったんだよ。「『人間が馬を駆使していると考えちゃいけない。馬がいたから人間がいたんだ。』そう考えたらわからない事がたくさんわかるようになってきましたよ。」と言ったらおじいさん喜んでいたよ。・・・
(平成七年合宿) 
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上原輝男記念会
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非公開
自己紹介:
本会は、上原輝男の功績を顕彰し、民俗学・国語教育学の発展に寄与する研究と交流を目的として設立されました。

ここでは上原先生が探求された事柄を、広く一般の方々にも知って頂くために、先生のあらゆる分野の語録を紹介しています。

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