どうしてあんなに日本人は頑張ろう、頑張ろうというんだろうと思う。何かあると、頑張ろうとやる。ところが私たちが子供の時分には、頑張ろうなんて言葉はあまり聞いたことがない。頑張るということは醜いことだ(関西では「我滅(ガメツ)い」という意味で)という気持ちが、どこかにあったような気がする。ところが、いまは老いも若きも男も女も「頑張ろう」という。
「頑張る」というのは「我を言い立てる」ということで、そんないい言葉だと思われたり、すばらしい言葉であるわけはなかった。だから先の「我滅い」と同義語になるのであろう。
(かぶき十話 P,11)
→(編集者)ネット上で 「がんばれ!」と言うだけでは動けない子どもにかける言葉 http://benesse.jp/kosodate/201807/20180710-1.html というのを特集しているサイトをみかけたので、先生の発現も掲載した次第です。
ネットで「頑張れ」等々の言葉を検索すると、マイナス面を紹介しているサイトが結構でてきます。
私自身(編者)もそうでしたが、「頑張れ」と言われて前向きになれる人間に対してはいいのかもしれませんが、逆に自己否定になってしまう人間も少なくないということは是非知って欲しいものです。
特に「競争原理」「成果主義」の世の中は要注意。
仮に結果を求めて頑張れと言われて、必死に結果を出せた人間でも、それを出し続けることを要求されると、ある時点で突然破綻がきます。
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