第一部 国語学習の目的と態度
五 言語作業補説
7、他教科教科書を読むことも国語科のうち
より
(P.43)
私は国語科に『構え』の指導を導入すべきことを早くから提唱して来た(前巻「小学校の国語の授業はこうする―感情・思考・構え編」参照)。ここでの論旨の記号体系への指針と導入に則していうなら、『文体』の認識である。
文体とは何かを教えよというのではない。われわれは、物の見方が改まる時、ことばが変わる習性を持っている。これは、成人したから気がつくのではない。物の言い方や修辞は補助手段ではない。物の見方(観点)、対処の仕方(対応姿勢)、世界定め(全体把握のありよう)によって、ことばは即応する。
*以下M・M 記述
「構え」というのは上原先生や児言態の教育観を考える上で非常に大きな意味を持つキーワードであるのですが、なかなか簡潔に説明することは難しいです。
基本的にはこの抜粋部分の最後
『物の見方(観点)、対処の仕方(対応姿勢)、世界定め(全体把握のありよう)』
と深い部分で直結することからくる「生きる姿勢」というようなことなのですが、この中にある「世界定め」というのも(元は江戸時代の歌舞伎の世界で使われていた発想なんだそうですが)簡単には説明できない・・・でも重要なキーワードです。
☆世界定めに関連する児言態の研究報告が特集されているのは、
雑誌『児童の言語生態研究』15号 (1996年)
特集「子どもにとっての時間と空間」
です。
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